明るい未来のために(10)‥‥分身主義の方法論(人間中心の科学の過ち)
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パソコンは時代に合わせてバージョンアップさせるというのに
人類の脳のOSは相変わらず旧式のままです。
科学時代に合わせてバージョンアップさせましょう!
そうすれば、世界はガラリと明るく美しい色に塗り替わります。
撮影:徳永真亜基(ストリートチルドレンの暮らす施設にて‥ベトナム)
今日までのブログをいったんまとめてみます。
この宇宙はビッグバンに始まり、約140億年間、「実体」と、その実体同士が作用し合うことで見せる現象だけの世界でした。つまり、人間が意識する向こう側の世界ということです。まだ人間が生まれていなかったので当たり前の話です。
ちなみに、どこまでが「実体」でどこからが「現象」かという問題ですが、それは元素と原子の関係のようなものだと理解していただければいいと思います。元素と原子は同じものなのですが、質的概念で捉えたものが元素であり、量的概念で捉えると原子と呼ばれるように、「実体」と「現象」も、その時着目している視点によってどちらかに決定される概念だと私は考えていて、その意味でこの言葉を使っています。例えば、人間の体内のタンパク質は「実体」ですが、それは、DNAを構成する四つの塩基のうちの三つの組み合わせによって作られる「現象」であるという見方もできます。同じように、我々の身体は「実体」ですが、タンパク質という「実体」が作用し合って見せている一時的な「現象」であるという見方もできるわけです。
だから究極の「物質」はそれ以上分割できないとされる「素粒子」だけであって、それ以外は全て「現象」であるという言い方もできます。
「この宇宙は、素粒子たちが、ビッグバンの最初の一突きの時に作られたシナリオ(自然界の法則)に基づいて演じさせられている劇場である」でしたね。
ここまではいいですよね。
さて、この140億年を1年に縮めるとすると、年も変わろうとするわずか数秒前くらいに人類の脳に「幻想」が生まれました。幻想(認識、連想、想像、思考、感情、意思(意志)‥‥などのあらゆる精神活動)は、動物の中で言葉を使用するようになった人類の脳だけに浮かび上がるものです。「幻想」と言っても、実体同士が作用し合うことで見せる現象の一つに過ぎないのですが、言葉を使用する人間の脳は、体内に張り巡らされている神経系と連動して「自分(=自我)」という錯覚を持つことになります。それによって、自然界に背を向けて独り歩きを始めてしまうわけです。言葉を使用する前の、まだ本能的な自我しか持っていなかった頃の人類は、他の動物たちと同じで「自然そのもの」であり、それを私は自然界と地続きと形容しています。
元々この自然界に140億年という十分な準備期間をおいて産み落とされてきた人類ですが、産み落とされた途端に独り歩きを始めてしまい、今では自然界からはぐれて迷子になってしまっている状態です。そんな我々が、もう一度自然界とつながるためにはもはや言葉を持ってするしかありません。それが科学だということです。人間の「幻想」を排除して自然界とつながることができる謙虚な学問は、科学をおいて他にありません。
科学者はそのつど頭をもたげてくる自分の幻想と、まるで修行僧のように格闘をしながら、血のにじむような努力で何度も何度も実験や観察や観測を繰り返し、自然界に何度もお伺いを立てながら歩んで来ました。ところが、最後の最後で科学者は自分の幻想(思い込み、感情、思想、主観など)が顔を出してしまい、ほとんどの科学者がとんでもない結論を導き出してしまっています。
ここまでが前回までのまとめです。
ではどんな間違った結論を導き出しているかと言うと‥‥。
ちょっとクイズ形式で6問出題してみますので、考えてみて下さい。
設問は、「次に挙げた文章は、科学者と言われる方たちの解釈ですが、これらの解釈は、自然界中心の謙虚な科学を実践したものと言えるでしょうか?」というものです。
1.カレハカマキリは、自分の体の色や形や動きを枯葉そっくりに似せているが、それは敵の捕食から身を守り、獲物の捕獲を有利にするための戦略である。
2.オーストラリアのハンマーオーキッドという花は、「雌バチ」そっくりに擬態した唇弁(しんべん)を持ち、それに飛びつく雄バチによって受粉を成功させる。これは種子植物が確実に受粉し、安定して子孫を残せるように工夫した結果である。
3.そもそも宇宙は知的生命(=人間)を生むようにデザインされていた。もし人間によって観測してもらわなければ、宇宙はその存在を誰にも認知されないで終わることになり、それでは宇宙の存在意義もないことになってしまうからである。
4.生命発生の確率は、100万ドルの宝くじが100万回連続して当たったような信じられない幸運が重なった結果だ。あるいは生命発生の確率は、腕時計をバラバラにして箱の中に入れ、それを振っているうちに腕時計が完成するくらいの確率である。
5.免疫系は、自己と非自己を区別して「わたし」の体を危険な外界の攻撃から守るために存在している。
6.医学は誰もが認めるれっきとした科学であり、我々医学者とは病気の原因と治療法を研究する科学者のことである。
どれもどこかで耳にしたような解釈ではないでしょうか!? このような解釈が巷にあふれかえっています。どうでしょうか? 取り立てて間違いを指摘するような部分はないように感じてしまいますか? だとしたらあなたは人の話を信じやすく騙されやすい人かもしれません。でも無理もありません。科学者という権威を持った方たちの口から語られる言葉は、我々は鵜呑みにしてしまいやすいのも事実ですから。
さて、答えは、どれも「自然界中心の謙虚な科学を実践したものとは言えない」です。詳しい解説は、短い動画を作りましたので、そちらで見ていただきたいと思います。(つづくリンク) |
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9/6 7:51 │
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