101113 ・幼・少・青・壮・老 ・認識論 
「自閉症」って何? 「劣化収束」との関係は?@
匿名希望 05/11/20 AM01
以下、msg:97385『自閉症についてちょっと気になりました』樫村さんの投稿です。

>>印象に残った点だけでもこの通りで、驚いてしまいましたが、彼は3歳頃から、何も話さず何もしない子になっていたということです。母親の歪んだ価値観で育てられた結果です。(msg:97205 後藤さん)

>自閉症とは先天的な脳に起こる発達障害で、後天的は精神障害とは基本的には別です。親の育て方の違いから自閉症が発症するわけではありません。ただ、自閉症児に対して、適切な対応ができていないために、その症状を悪化させたり、精神的なところにでたりすることはあると思います。(msg:97385 樫村さん)


私自身、過去は「自閉症」については概ね後藤さん(msg:97205)と同様の認識を持っていました。

例えば、無表情で話し掛けても反応が鈍い人、もしくは後天的な“ひきこもり”のような人たちも、ほぼ一くくりにして、要するに“人間関係が苦手でそこから逃避してる人たち”を総称して“自閉系”と言うんだ、と認識していたように思います。

その原因についても、「母親の甘やかせなどが原因で仲間圧力や社会の共認外圧にまっとうに立ち向かえなくなっちゃったんだろう」もしくはそれとはまったく逆で、「母親が親和を与えなかったか適切な構い方をしなかったか、もしくはネグレクト(放置)したとかで、幼少期にまっとうな共認回路が発達しなかったんだろう」、と(矛盾だらけなのだがそれに気付かず)適当に考えていました(だから、自分とはまるで関係の無い話…と思っていた)。

ところが、仲のよい友人(大学の後輩)に現在週に30人程の患者を診ている精神科医がいるのですが、「先輩は“自閉スペクトラム”が結構強いタイプですね。いわゆる“アスペルガー症候群”のボーダー(境界)やと思います。そのせいで社会に適応できなくて“うつ病”になってる患者もよく診ますよ。先輩も無理せんように気をつけてくださいね。…といいつつ実は僕のよめはん(放射線医療を専門にしている)も軽い“アスペ”なんですけどね…」などと言われて、かなり驚いてしまいました。

(自己評価ほど当てにならないものは無いのですが…)自分自身としては、引きこもり的な傾向もまるで無いし、幼少のころから友達とは普通につきあってきたような気がする(悪ガキ友だち好きで、そういう奴についていって一緒にワルサしていた)し、どちらかといえば外にたくさん友達を作るのが好きなタイプだと思っていたので、自分が“自閉スペクトラム”って一体なんのこっちゃ?と思っていたのですが、ネットで“自閉症”とか“アスペルガー症候群”を検索してみると、かなり認識を修正しなくてはならないことに気づきました。

自閉症を“Wikipedia”で引いてみると
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87

>自閉症(じへいしょう、Autism)は社会性や他者とのコミュニケーション能力の発達が遅滞する発達障害の一種である。高機能自閉症と低機能自閉症があり、ただ単に「自閉症」という場合は、後述する低機能自閉症の事のみをさす場合もある。

>特に高機能自閉症の場合は、一般的に恥ずかしいと思って秘密にするようなことでも正直に話してしまうなど、むしろイメージ的には自閉とは逆の「自開」であるという人もいる。

で、この図解を見てみると
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87.PNG

「低機能自閉症」はいわゆる知的障害を伴った発達障害で、「高機能自閉症」は知的障害を伴わない発達障害(そんなものがあったのか…)とあります。その“高機能自閉症のうち知的障害を伴わないもの”が“アスペルガー症候群”とカテゴライズされているようです(要するに、観念機能の容量に異常は無いが、共認回路のどこかに異常があるということ?)。

自閉症の原因については、あまり解明が進んでいないようですが、概ねmsg:97385(樫村さん)の書いたとおりで、脳の先天的(または発育の極めて初期)な脳の機能障害が原因、というのが最も支持されている説のようです(参照:http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Cassiopeia/8331/mokuji00.html)。

たしかに、他の精神疾患(統合失調症・神経症・躁鬱病・うつ病など)は、脳内のホルモンをコントロールする薬物によって一定の症状の改善が見られますが、自閉症については(他の精神疾患を併発している場合は別ですが)、「自閉症が薬でなおった(症状が改善した)」ということは無いようです。おそらく、シナプスの繋がり方や脳のある部分の機能不全など、より脳の基礎構造の部分での別の要因が関わっているということでしょうか。

どうやら、私が信じていたのは“自閉症の神話”なるものだったのか…、という話も見つけました(以下引用)。

>神話とはそういうものなのだろうが、それにしても、自閉症の神話と「自閉症」の実態とは、あまりにもかけ離れすぎている。まったくの無知が公然とまかり通っている上、原因は「親子関係のもつれ」と見なされているので、暗黙の内に、そんな問題は親子間で解決すればいいという結論なってしまっている。しかも、この神話は、一般の人々のみならず、作家や学者や知識人などと呼ばれている人々の間でも立派に通用しているのである。(http://homepage3.nifty.com/starbird/book.htmlより)

ここでも、学者や知識人が誤った認識を人々に植え付けてる弊害が見られます。

<Aに続きます>
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