3297 ・環境・農業 ・社会統合 ・幼・少・青・壮・老 ・仕事・起業・共同体 ・認識論 ・市場時代 
市場から信認関係へ
小松由布樹 36 岐阜 農業 01/04/17 AM01
前の投稿では、生産者の立場から意見を述べましたが、もう少し広い視野で考えてみたいと思います。

私権の終焉は、自然や仲間との解脱収束、社会統合などの本源収束の潮流をもたらしました。更に貧困の消滅と私権の衰弱に伴い、今や市場は拡大を停止したと言えるでしょう。むしろ今日のデフレ現象は、市場が縮小過程に入る兆しであろうと思われます。
これらの時代の流れ、本源収束と市場の拡大停止により、取引関係が市場から信認関係へ移行するのは、むしろ必然だろうと考えます。

物が豊かになり物的欠乏がどんどん衰弱すれば、本当に必要なもの、良質なものだけが求められるようになります。欲しいものは市場に求めるのではなく、限りなく注文生産、特注という形になるはずです。一方、仲間欠乏や統合欠乏、大きくは共認欠乏が大きくなり、取引関係においてもこれらの充足が求められるようになります。むしろ、共認充足は物的交換価値を上回ると思います。これが信認による取引関係の本質ではないでしょうか。

小西さんから、信認関係の形成についての問題提起がありましたが、信認関係は、何も取引関係の中だけで形成されるものではない、と私は考えます。つまり、信認関係の本質は共認充足なのですから、共認形成或いは期待応望が充足できる場さえあればいいのだと思います。

また、「産直」も市場における一選択肢に終わってしまう、との意見は、やや理解しがたいのですが、「産直」と看板だけ上げて店を開いているのであれば、仰るとおりだと思います。市場から離脱する以上、信認関係の構築は不可欠であり、それを武器にしなければ、淘汰されてしまうことでしょう。これはまさしく、共認闘争の世界だと感じています。
閉じる