55475 ・社会統合 ・幼・少・青・壮・老 ・認識論 ・猿と人類 ・男と女・性・婚姻 
人類の共認・観念回路の発達段階
田中素 37 長崎 企画 03/05/22 AM03
> その発達度合いを成人(20歳)を100とすると、0から3歳までに60までほぼ一直線で発達し(急速にその基礎が作られ)以降は6歳から7歳間でほぼ90に。更に10歳から12歳でほぼ100に近いところまでと集中的かつ段階的に形成されていくようです。(msg:55274)

この脳神経細胞の発達割合は、実際に人間が成長過程で各種能力を獲得する時期と、かなり一致しているように感じます。

「三つ子の魂百まで」と言われるように、0〜3才のいわゆる乳児期の間には、主に親との間の親和充足体験によって気質=おそらく正確には共認原回路の強さ弱さが概ね形成されます。また、誤信念課題(msg:30959の2つ目の実験)の成否の境目が4歳であることから、片言の「ことば」とともに「目の前に無いものを対象化する」という観念機能の最も本質的な能力を身に付けます。つまり、共認機能と観念機能の基礎回路がつくられるのがこの段階だと考えられます。

6〜7歳の頃は、子供の行動域が親元から本格的に遊び仲間などへ移行し、その中で人間関係の取り持ち方などを学んでいく時期と概ね合致します。つまりここは、「集団動物として適応する」というレベルで共認回路が本格的に枝を伸ばしていく段階なのではないかと考えられます。ただ、ここで獲得する関係センスは非常に感覚的なもので、観念機能はあまり使っていないように思われます。

そして、子供が好奇心の塊になって「何で」「何で」という問いを繰り出し、大人を困らせるのがこの頃から始まるように思います。これは、本能回路や共認回路と観念回路を本格的に繋げることで、因果関係や論理整合性といった「構造観念」を使う基礎フレームを形成しているのではないかと思います。これがほぼ完了するのが最後の10〜12歳という時期なのではないでしょうか。

人間は、他者との関係の中でこのような段階を経て脳回路を発達させ、本能〜最先端の観念機能までを十全に使えるようになっていくのではないかと思います。
閉じる