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共認回路を再生する場としての露店
小圷敏文 壮年 大阪市 建築士 04/12/13 AM00

露店でお客を呼び込むとき、大声で呼びかけるだけでは、一向に効果が出ない。そんな時、店構えを変えてみたり、お題カードやその敷物の素材や色調などの設えに工夫を凝らしたりすることが「工夫思考(回路)」であると捉えていた節がある。

先日、なんで屋露店で、声掛をひたすら押さえ、路上に同化して目線で道行く人を追い、目線の合った人にこそ歓迎の意をゼスチャーで示す試みをした。そうすると、過半の人は微笑を返してくれる。気になる人は、何度か振り返り、そのたびに目線と歓迎のジェスチャーを繰り返すと、きびすを返して店先に来てくれることがある。

そこで初めて、言葉(観念)による会話となるが、そこでもかなり控え目に季節の挨拶と露店のメニューを伝えるだけ。そうすると、お客は場の雰囲気から可能性を拾い出して、探索し始める。その間、こちらもお客を肯定視し、同化・応合してお客の期待を探索する。

そのような「気」の遣り取りを踏まえた上での会話は、単なる言葉の遣り取りを超えている。まさしく、

>通常言葉によるコミュニケーションと考えられている状態でも、実は言葉以前の共認が多くの部分を支えていることが解ります。また、言葉を発するということは、それ以前に伝えたい内容が意識のなかで(言葉でなくとも)まとまっていることも解ります。(msg:21180)

ということを実感できた。

>潜在思念が最初に(その場=話しの流れに応じた)大きな方向を発見し、次に(潜在思念の一部である各種の統合律が)大きな構成を見つけ出す。(msg:71464)

頭の先っぽでこねくり回す工夫ではなく、潜在思念発の工夫回路の在り処を垣間見たように思う。そんなことに気付けたという意味で、「共認回路を再生する場としての露店」の意義があると痛感・得心した。

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